新たなIR基本方針案に対する各自治体の反応「ありがたい」「遺憾」

IR新基本方針案の発表を受けた横浜・和歌山など自治体の反応

政府は10月9日、新たな基本方針案を発表し、IR区域整備計画の認定申請受付期間を2021年10月1日~2022年4月28日としました。
当初のスケジュールでは、2021年1月~2021年7月末と定められていたため、約9か月と大幅な延期となっています。

新型コロナウイルスの影響による準備不足等を考慮した今回のスケジュール変更に伴い、国によるIR区域整備計画認定は2022年5月以降となります。

IR誘致を目指す横浜市、大阪府市、和歌山県、長崎県といった自治体は、国のスケジュールに従って計画を進行していたため、今後IR推進を進めていく予定への影響も大きいと見られます。
今回の政府の発表に対し、各自治体によって反応は異なっています。

横浜市・林文子市長「ありがたい」

スケジュール延長に関して「ありがたい」とコメントし、コンセプトの提案があった事業者への追加ヒアリング・検討を行うとしています。
カジノ誘致の反対運動が頻繁に行われている現状からも、市民の理解を得てIR実現に取り組んでいくと意気込みを見せました。

10月13日にはコンセプト提案募集(RFC)の提案概要を公表し、同時にRFCを追加で実施することも発表。

8月にはRFC各社の提案をもとに市が決定した「横浜IRの方向性」が発表されていましたが、今回のRFC提案概要ではコロナ禍で受けた経済効果等から建設投資が3割増しとなっているなど影響が見られます。

大阪府・吉村洋文知事/大阪市・松井一郎市長「ありがたく、妥当な判断」

コロナの状況下でこの延長はありがたく、妥当な判断であると述べました。
大阪府市は新たな基本方針案の発表を「国として前に進めるという意思表示」と受け止め、改めて設定された認定期間に合致するよう作業を進めていくとしています。

これまでに、大阪IRの事業者としてMGM Resorts International、オリックスの2者連合がRFPに参加していますが、現在は協議が進んでいない状況です。
当初は大阪万博前の開業を目標としていましたが、国のスケジュール変更に伴いIRの全面開業時期は1~2年遅れると見込んでいることにも触れました。

和歌山県・仁坂吉伸知事「大変不満で遺憾」

スケジュール延期を喜ぶ自治体が並ぶなか、和歌山県では「大変不満で遺憾」とコメントしました。
和歌山県は、当初の国のスケジュール案に沿って従順に計画を進めてきており、大阪府市が断念した“万博前の開業”実現に向けて優位を目指していたため、不満の声があがっています。

しかし、変更された内容と期限に従って仕上げていくしかない、万博前の開業は現実的に難しいかもしれないと、気持ちも新たに新体制に望む様子がうかがえました。

長崎県・中村法道知事「今回の変更を踏まえ準備進める」

現在IR事業者の公募と選定に向け準備を進めている最中であり、今回の変更を踏まえた事業者の意見も取り入れて準備をしていく、とコメントしています。

長崎県では、RFP参加(予定)事業者の多くの希望によりRFPを延期しています。
国のスケジュール変更のみならず、コロナウイルスの感染拡大状況も大きく予定に影響していくと考えられます。

このように、自治体の進行状況によって変更に対する賛否が分かれています。
コロナウイルスの影響で足踏みしていた自治体では、スケジュールに余裕が生まれますが、先陣を切って準備し優位を保っていた和歌山県にとっては戦略が無効ともなる痛い知らせとなりました。

政府は11月7日まで基本方針案に対するパブリックコメントをもとに、基本方針を正式決定するとしています。

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