事業者選定の進む長崎IR 土地利用規制法については「注視」

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事業者選定の進む長崎IR 土地利用規制法については「注視」

IR事業者選定の進む長崎県では、「土地利用規制法(重要土地規制法)」が成立したことにより、米海軍や陸海自衛隊の基地を有する佐世保市へのIR誘致に影響があるのではないかという懸念が生じています。

土地利用規制法は、安全保障上重要な施設の土地利用について国が調査・規制することができる法律であり、防衛施設や軍事施設がある地域では経済活動が制限される可能性があります。

しかし、長崎県IR担当の吉田慎一政策監は、「提案審査に新たに安全保障に関する審査基準を追加することは困難」としており、現段階では佐世保市内の基地が対象になるかも判明していないことから、土地利用規制法の今後の方針について「最大限注視する」とコメントしています。

土地利用規制法(重要土地規制法)とは

土地利用規制法は、防衛施設や原子力発電所などの周囲1kmや国境に近い離島を「注視区域」「特別注視区域」に指定し、その土地の利用状況を調査することができる法律であり、6月15日に国会で可決されました。

土地所有者が防衛機能を阻害する行為をおこなう可能性がある場合、国が中止勧告・命令ができるようになるほか、「特別注視区域」に指定された200平方m以上の土地については、売買時に氏名や国籍の届出が義務付けられます。

これは外国資本などが周辺の土地を購入して攻撃を行うなどといった、安全保障上のリスクを防ぐために取引に一定の規制をかけることが目的とされています。

しかし、現時点では阻害にあたる行為の定義や調査内容、対象となる施設については未定であるため、米軍や自衛隊の基地を抱える沖縄県や韓国との国境に近い長崎県対馬市などでは、「正当な目的のある経済活動も侵害される恐れがある」と危惧する声が上がっています。

土地利用規制法(重要土地規制法)についての詳しい内容はこちら

事業者選定の進む長崎IR 審査基準に安保を加えることは困難

IR候補地のハウステンボスが位置する長崎県佐世保市でも、市内に基地があることから7月2日の県議会総務委員会で安全保障に関する質問がなされました。

宮島大典委員からの「佐世保は安全保障上の重要拠点。安保は事業者の選考に盛り込まれるのか」といった問いに対し、吉田政策監は「6月の法成立前に審査基準が決まっているため、評点に反映するのは非常に難しい」と回答。

また、具体的な対象施設が明らかにされていないため、「土地利用規制法は国の大方針なので、国との協議や情報収集をしていく」と述べています。

長崎県ではすでにIR事業候補者の審査が行われており、現在進んでいる2次審査では、事業戦略・財務力のほか、コンセプトやギャンブル依存症対策、地域還元などの点が評価対象となっています。
有識者からなる審査委員会からの意見も踏まえたうえで8月に事業予定者を決定する見込みですが、今後、土地利用規制法の基本方針が定められた場合にIRへの影響はあるのか、引き続き注視が必要です。

長崎IR 一次審査通過事業者と二次審査の内容について詳しくはこちら

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