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2020年3月27日

カジノ・IR産業にも新型コロナの影響相次ぐ。営業再開の目処立たず

カジノ・IR産業にも新型コロナの影響相次ぐ。営業再開の目処立たず

2020年7月に開催予定だった東京五輪の延期が決定するなど、世界中に影響を及ぼしている新型コロナウイルス。
この感染拡大により、各国で観光産業も大きな被害を被っています。

カジノが盛んな地域でも休業に追い込まれるほか、営業を続けているアジア圏のカジノ・IRリゾートも運営が左右されており、政府による対策がなされています。

現在世界各国のカジノ・IR産業では、以下のような被害が出てきています。

  • 入国制限や移動自粛により観光産業に大きな影響
  • 休場しているカジノ・リゾートが大多数
  • 営業再開の目途が立っていない施設がほとんど
  • 逸失利益が莫大

その中でもカジノ営業が大きな影響を受けている国はアメリカ、オーストラリア、マカオです。

アジア各国では、安全衛生ガイドラインをもって営業継続中のところもありますが、入境・入国制限がかかるなど運営が難航しています。

アメリカ等をはじめとする各国のカジノ業界の現在の状況・対策を国ごとにまとめました。

アメリカ:ランドカジノがすべて営業停止に

3月25日、アメリカンゲーミング協会(AGA)による新型コロナウイルスの対策として、オンラインカジノを除く米国の商業カジノ施設すべてが営業停止となりました。

全ての商業カジノ施設が営業停止になったきっかけは3月11日、ラスベガスに所在するカジノホテル「ミラージュ」に宿泊していた旅客が、新型肺炎の陽性と判明したことです。
ホテル側は客室の完全な消毒と、ビュッフェ休止へと踏み切ることで対応していました。

しかし感染拡大が止まらない状況を受け、同運営会社は3月13~16日までに米国内のすべての施設を一時閉鎖というかたちに踏み切りました。
そして競合会社のウィン・リゾーツも14日より2週間の閉鎖を発表しました。
また、ラスベガスサンズも3月17日にラスベガス施設の閉鎖を発表し、閉鎖期間は最短で4月1日までとしています。

米国内の全カジノが封鎖され、停止したカジノ施設従業員数は計649,000人にも及びます。
閉鎖期間が2か月となれば、経済活動の損失は435億ドルといわれており、アメリカンゲーミング協会は政府に支援を要求しています。

オーストラリア:カジノを含む屋内商業施設が営業停止

オーストラリア政府はコロナウイルス感染拡大の対策として、3月23日PM12:00以降カジノ・統合型リゾートを含む、屋内商業施設の全面的な営業禁止を期間未定で発表しました。

オーストラリアでは3月15日より、海外からの入国者(オーストラリア国籍を含む)に2週間の隔離措置を実施し、18日からは国民の海外への渡航を禁止しました。
翌19日より、すべての外国人の入国を禁止しています。

オーストラリアは、他国からの旅客数が1月・12月に最も多く、観光目的の旅客が突如いなくなる事態に陥っています。
観光客の激減が、観光産業に経済的な大打撃を与えています。

マカオ:カジノ営業再開。ただしマカオ住民以外の入境は禁止に

マカオ政府は旧正月の祝祭を全て中止し、中国政府はマカオへの旅客用の個人ビザ配給も停止しました。
そして2月18日よりマカオ住民以外の入境禁止が決定しました。

2月20日から営業は再開されていますが、入境禁止により運営する環境は厳しいままです。
営業再開されたカジノ施設では、マスク着用や顧客間の距離確保など感染予防が義務付けられています。

マカオのカジノにとって旧正月は貴重なシーズンです。というのも、旧正月を囲む17日間は過去3年間で年間総ギャンブル利益の約5.5%も占めているのです。

年間ギャンブル売上総利益の16〜17%を占める1月2月が例年通りに運営できず、莫大な逸失利益に繋がっています。

その他、アジア太平洋地域

アメリカ、オーストラリア、マカオ以外にも甚大な被害に苛まれているカジノ施設が多くあります。
また、各国のカジノ・IR施設がどんどん休場に追いやられていくなか、アジアの一部には営業を継続しているカジノ施設もあります。

  • 韓国
    カジノは4月6日まで休場。休場期間のカジノ逸失利益は約1,581ウォン(約139億円)。
  • フィリピン
    カジノを含む全てのゲーミング事業の即時停止を発表。首都圏のマニラは3月15日から4月14日まで封鎖。
  • シンガポール
    マリーナベイサンズ、リゾートワールド・セントーサ両施設で入場制限を導入
    ロイヤリティ・プログラム・メンバー(マリーナベイサンズはゴールド以上のみ)、シンガポール国民(永住権者)で年間入場料を支払っている者のみ入場可能。
    カジノでは、消毒や体温チェックなどを含む「安全衛生ガイドライン」を実施中。

最近までカジノ施設の営業を続けていた国も、徐々に営業停止に踏み切るところが多くなってきました。
また、辛うじて営業を再開したカジノが所在する国でも、入境・入国制限が設けられるなど、客数の激減によるダメージは避けられません。

外国人観光客を主なターゲットとしたカジノ・IR施設の経済は現在、とても厳しい状況にあります。

IR・観光産業の経済悪化だけでなく、現在あらゆる方面から多くの人々が被害が見舞われているなか、一刻も早い事態の収束が望まれます。

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